小柳津 摩耶さん(25歳、介護職、入社5年目)
岸 真琴さん(22歳、介護職、入社2年目)
FEATURE 特集企業インタビュー
「ありがとう」の言葉にやりがい
職員と利用者の距離が近い介護の職場
掛川社会福祉事業会が運営するかけがわ苑は、掛川市初の特別養護老人ホームとして、1984年に設立されました。総勢50人のスタッフは、法人の基本理念にもある「個人の人格を尊重し、利用者本位のサービスを提供」「明るく楽しく安心した生活が営まれるよう信頼と笑顔で支援」「積極的に研修、研鑽を積み、質の高いサービスを提供」に基づいて、利用者の皆さんが快適な暮らしを送れるように介助と施設の運営を続けています。
対談参加者
利用者にも職員にも大切な声かけ
―お2人が入苑したきっかけを教えてください。
小柳津 小中学生の頃、曾祖父母がかけがわ苑に入所していたので、面会のためによく訪れていました。専門学校で介護の勉強をしていたときに実習に参加して、職員同士の仲の良さと、利用者と職員の関係が近く感じられたので、ここで働きたいと思いました。
岸 私は、短期大学の社会福祉学科に在籍していたときの就職活動で、職場見学に来ました。そのときの担当者がとても優しくてしっかりした先輩職員でした。また、地元にある施設で、職員と利用者の仲がとても良いと思ったので、ここに就職を決めました。
―どんな仕事を任されていますか?
小柳津 私は1階の多床室の担当です。多床室は3~4人部屋で、食事や入浴、排せつが一人でできない利用者の方が多く滞在しています。そのため、身体的な介助が必要になってきます。
岸 私は2階のききょうフロアを担当しています。2階は入所者とショートステイの利用者両方に接する仕事です。
―お2人の1日の勤務スケジュールを教えてください。
小柳津 9時半~18時半勤務の日勤は、パット交換~離床~昼食食事介助~入浴介助~離床・トイレ介助~夕食介助~口腔ケア~食器洗い、という流れです。
夜勤(23時~翌8時)は、コール対応~パット交換~翌日の準備~離床~トイレ介助~整容~記録~朝食介助~巡視、という流れで、早番(7時半~16時半)やフロア全体をマネジメントするリーダー番(同)の日もあります。
岸 仕事の流れは1階と同じですが、2階はショートステイの利用者向けの仕事が加わります。
試される洞察力や気配り
―どういった点に注意をして日々の仕事にあたっていますか?
岸 勤務中は利用者の方と会話する機会がどうしても少ないので、時間をみつけてコミュニケーションを取るようにしています。特にここで暮らしている方の生活が単調にならないように、スタッフ全員で気を配っています。夜間の睡眠が浅く、日中もウトウトしてしまう利用者さんが、行事になると目を輝かせて手拍子をしたり、食事の前の体操では、みんなの顔が明るい表情になったりするんです。
―各業務で洞察力や気配りが必要になりますね。
岸 他にも、浴室はすべりやすいので、転倒リスクがあります。さらに全身を見るので、注意深く新しい褥瘡(じょくそう)などがないか確認するようにしています。また、利用者の体調は、日によって変わります。食べ物をだんだん飲み込めなくなってむせたり、食べ残しが多くなったら、先輩職員に相談して、常食から食材を細かく刻んだ品目や柔らかいソフト食に切り替えます。
―施設外での手指消毒や外来客の制限など、徹底した感染症対策をしていますね。
小柳津 新型コロナの流行前と比べて、今まで以上に手洗いやうがいをこまめに行うようになりました。入所している人が外に出ることは基本的にありません。外から菌やウイルスを持ってくるとしたら私たち―という意識で、普段から人ごみに行かない様に気を付けています。
新人指導の制度が充実
―かけがわ苑の良いところはどんなところですか?
小柳津 職員同士の仲が良く、意見を言いやすい職場です。職員と利用者との距離が近く、アットホームな環境で、施設全体が明るい雰囲気に包まれています。利用者の方から「ありがとう」と言われたときは、うれしくなります。
岸 先輩がマンツーマンで新人を指導するプリセプター制度を導入するなど、人材育成がしっかりしています。私も介助業務の実践から、配膳や清掃のチェック票の記入の仕方といったフロア全体の管理まで、昨年度はいちから実務を教わりました。
―休日の息抜きを教えてください。
小柳津 今はネット上の動画視聴などで満足していますが、好きなアーティストのライブに行くことです。THE RAMPAGEというEXILEの弟グループのファンです。instagramやTikTokなどで流行っている写真や動画もときどきチェックします。
岸 飼っている犬と遊んで、テレビやNetflixを見ることです。カフェ巡りも好きで、市内にある「ナンバーエーコーヒー」というカフェに、以前はよくケーキを食べに行きました。
仕事は助け合いつつ能動的に
―今後の目標は?
岸 利用者さんの細かな変化に気づけるようになりたいです。今年は新しく入ってくる新人スタッフを指導する側に回ったので、きちんと学んでもらえるようにしたいです。
小柳津 職員間の仲が良いところが素晴らしいとずっと思っているので、職員同士の連携をより深めていきたいですね。
岸 私が入苑した年にコロナの流行が始まりました。早くコロナが収束してお花見などの外出に利用者の皆さんと一緒に出掛けられるようになったらいいですね。
小柳津 ほんとにそうだね。
―最後に新しく入る後輩へのメッセージを。
小柳津 介護職は体力面でも精神面でも大変ですが、1人ではなく、周りの職員さんと助け合いながら行う仕事です。日々同じことは起こらないので、マニュアルに基づきながら自分自身で考えて、利用者さんのために行動する必要があり、やりがいが感じられます。ぜひ私たちと一緒に働きましょう。