エイケン工業の主力製品は、オイルフィルタなどの自動車用フィルタと、セラミックバーナなどの燃焼機器・厨房機器です。
フィルタは国内自動車メーカーの純正品を製造しているほか、一般市場の人気ブランド向けにOEM供給をしています。国内向けのフィルタについては、言わば「黒子の会社」。自社が表に出ることなく、有名ブランドの高品質を実現するための開発・生産技術を磨いています。黒子であることは、市場で競い合っている複数のメーカーに製品を供給できる強みもあります。一方、海外向けのフィルタでは自社ブランド「VIC」を持ち、東南アジアや欧州で信頼を獲得しています。燃焼機器・厨房機器は、高効率の燃焼と安全性のために追求した燃焼技術が評価され、事業が成長しています。

■上場企業としての責任
当社は御前崎市に本社がある会社では、唯一の上場企業です。会社として利益を生み出すことは大前提として、さらに地域社会への恩返しも大切にしています。スポーツ大会に協賛したり、中学校の吹奏楽部に楽器を寄贈したりするなど、地元密着の活動を進めています。

■創業以来の黒字経営
当社は創業から黒字経営を継続し、利益を社員に還元してきました。特徴的なのは、還元の基準をわかりやすくしていることです。例えば経常利益が5％アップした場合には、役職に関係なく臨時賞与を支給。これを仮に残業代の削減で達成しようとするなら、「社員1人当たり1週間に1時間の残業をなくせば十分に実現できる」と社員に説明しています。こうして、一人ひとりの頑張りが会社の利益と社員の収入につながることを意識してもらっています。
もちろん、利益還元とは別に、各社員が出した結果は正当に評価し、給料などで応えます。また、よい仕事をするために新しいスキルを獲得したい若手には、資格取得も応援していきます。

■やりたいことは何でもできる
今後も確実に需要がある自動車用フィルタに加え、自動車の電動化時代にも大きな成長を見込める事業を育てようとしています。そのために、当社は2019年、開発部を設立しました。同部では年間予算の枠内であれば、何でも自由に研究・開発できます。例えば、当社・静岡大学・京都大学の3者が2014年に特許を出願し、その後登録された「居眠り検知システム」のように、現在の主力製品と全く異なる分野にも思い切って挑戦してほしいと思っています。

代表取締役社長 早馬 義光